参照:American Jewelry Design Council(アメリカン・ジュエリー・デザイン・カウンシル、AJDC)











10月の誕生石オパール!私の誕生石!

初めてのコラム、、皆様のお勉強に役立つ内容にすべく、一生懸命書きます!!

記念すべき1回目はオパール♥

10月の誕生石!私の誕生石!
なにより宝石学的にもユニーク特性を持っているので、1回目にふさわしいかな♥
あ、もしかして運気だとか浄化?パワーストーン的なことを知りたいな、、と思われている方には全く役立たないかもです、、

ジェモロジストとしてのオパールの事実!!オパールの鉱物学的観点!!からのコラムです。

プレシャスオパールとは?

オパールと言っても色々な種類がありますが、おそらく一般的に思い浮かべるのはプレシャスオパールだと思います。
プレシャスオパールとは、、
背景がホワイト、ブラック、ウォーター、ボルダー、マトリックスなど遊色効果を示すものです♥

オパーレッセンスのこと?

違います!
これはネットを見ていると、遊色効果として説明されていることがあるので要注意です。
まぎらわしいのですが、遊色効果とは全く関係ありません。
では何でしょう?

  • 定義:一部のホワイトオパールが示す、半透明で乳白色の外観のこと
  • 原因:光の散乱によるもの、ミー散乱効果

某国宝石学協会っぽくしてみました♥


素敵〜
万華鏡の世界ですね♥

「The Path of Enlightenment(啓蒙の道)」ネックレスには、有名なオパールの生産地であるオーストラリア、ライトニングリッジ産の、素晴らしいオパールが180個使われています。 – 提供:Cody Opal



「この最も美しい宝石は、ルビーの輝き、アメジストの鮮やかな紫、エメラルドの海の緑を組み合わせ、すべてが壮麗で信じられないほどの一体となって輝いています。」ローマの博物学者大プリニウス (紀元 1 世紀) は著書『博物誌』より



プレシャスオパールの特性、、
それは!皆様もよく御存知の遊色効果・プレイオブカラーですね。
ここで鉱物学特性を述べてみたいと思います。

鉱物学特性

じゃん!

鉱物名  水和シリカ 
化学組成 SiO2•nH2O (二酸化珪素 最大10%の水分含む)
光学性  等方性
複屈折量 なし
RI     1.40 〜 1.46
SG    約2.1
特殊効果 プレイオブカラー



アタマいたた、、
でもこれがクセになるんです 笑
わ〜比重が 2.1 、、軽い〜
オパールのネックレスは、肩がこらないですね。
そして組成を見ると、、シリカと水分で出来ているんですね。
鉱物名と書きましたが、厳密には鉱物ではありません。
なぜなら結晶構造を持っていないからなんです。


結晶構造って?

結晶構造って?
それは、、
原子が規則正しく繰り返されて結合している構造
うーん、、硬いですね。
それでは、私の秘伝のノートを、、
もしかするとジュエリーコーディネーター2級を勉強した方は、この図でなんとなくお分かりになるかもですね。



参照:https://www.jewelenvy.ca/opal-the-cosmos-within-a-stone/


左から結晶質・多結晶質・非晶質



結晶構造についての私の秘伝ノート

私の涙の結晶、、結晶についてのノート、、



遊色の秘密♥

それでは色の秘密を、、
それはシリカゲル!?
そう、あのお煎餅とか海苔に入っている乾燥剤です。
あれは人工的に作られた大きい粒ですが、組成はオパールと同じです。
あの粒つぶより、超小さい粒つぶが整然と並んでいるんです。
ポイントは、同じ大きさのシリカ球が整然と規則正しく配列していること!
もし大きさがバラバラ、あるいは大きさは同じでも規則正しく並んでいないと、入射した白色光は中で散乱して濁るだけ、、


あれ、でも、さっき規則正しく結合していないって書いてあったけど、、
と思いませんでしたか?
それは、シリカ球がビシッと並んでゼリーみたいに固まっていますが、結晶構造は不規則なので非晶質素材、、つまり結晶ではないのです。
むずかし、、


電子顕微鏡で見てみましょう♥

イヤ〜ちょっと苦手、、ちょっとキモい、、集合体苦手な方、、すみません、、

参照:

https://www.shinshu-u.ac.jp/faculty/textiles/guidance/teacher/prof/16403.html


どれくらい小さいの?というと、光の波長に関係するくらいのサイズです。
この小さな球の僅かな隙間に白色光が回り込む、つまり回折です。


回折って?

回折って言われても、、わからん、、
ピンとこないですよね。
イメージは、、
あなたは海でぼーっとしています。
波が防波堤のテトラポット(消波ブロック)の隙間から規則正しく波紋となって出てくる、、
つまり障害物があるとその後ろに光波は回り込むんですね。
実は先生からテトラポットで説明をしていただいたのですが、今ひとつピンとこなかった、、

ここでお得意の図!!!


光の回折と干渉の図
秘伝のノート、、回折と干渉♥


そして回折した光が、光の干渉により鮮やかな干渉色を生み出すんですね。
この可視光の波長と同じくらいの隙間が重要!

干渉って?

そう、大事なことをご説明していませんでした。
定義:色彩効果。光の干渉とは光の波長が重なることで、強めあったり、
弱め合ったり、あるいは打ち消し合うこと

なんか難しくなったしまいましたが、ある特定の色が見えるということですね。


シリカ球が大きければ、球と球の間の隙間が大きくなる、、
ということは、波長の長い赤色の波長がシリカ球に回り込みます。
遊色は、シリカ球の大きさと積み重なり具合によります。


可視光の波長は、青色から赤色に行くに従い長くなります。
紫色→青色→緑色→黄色→橙色→赤色
シリカ球 小 →→→→→→ 


つまり、赤色のフラッシュを生じさせるにはシリカ球が大きくなければいけません。

参照:構造色の特徴と可能性
様々な基材への人工オパールの利用に関する研究 小野 洋介Ono Yosuke 


つまり成長に時間がかかる → 貴重 → 高い
よってプレシャスオパールで、すべての色が遊色効果として見られるものは大変貴重です。

まとめ

プレシャスオパールの遊色効果は、回折と干渉の組み合わせにより生じる
色の違いは、シリカ球の大きさの違いと、光がオパールに当たる角度によって変わる


これから某国宝石鑑別士 / 宝石鑑定士を勉強、もしくは試験を受ける方!
これはファンデーション・ディプロマ両方の試験に出ます。
ガチです。

遊色効果について、、回折からの干渉


あ、これから宝石学の勉強をするんだ!と決意されている方に、おすすめグッズというかマスト!!
これがなければ話にならない!


さて何でしょう?


正解は、、、、、周期表
これです。

参照:Amazon

https://www.amazon.co.jp/%E5%85%83%E7%B4%A0%E5%91%A8%E6%9C%

これでなくてもいいのですが、この子が一番見やすかった!
2枚も買いました。1枚はバックの中で持ち歩き、、今も持ち歩いています。
もう一枚は冷蔵庫にマグネットで貼り付け 笑


このコラムを読んでいるうちに宝石についてもっと知りたい、、という気持ちになってきたら、その思いをこちらに♥

Miki Asazuma FGA